「世間は賃上げ、賃上げと言うけれど、原資がなきゃ上げられないよ…」 「社員にはもっと稼いでほしいが、『頑張れ』と言うとパワハラになるし…」
そんな板挟みに苦しむ経営者様へ。
給料を上げるために必要なのは、社長の男気でも、社員の根性でもありません。 「正しい道具」と「正しい使い方」です。
今回は、中小企業診断士の理論を使って、「労働生産性」という言葉を分解し、論理的に給料を上げるメカニズムを解説します。
1. そもそも「労働生産性」とは?
労働生産性とは、「従業員1人が、どれだけの価値(付加価値)を生み出したか」を示す指標です。
当たり前のことですが、会社は生み出した「付加価値」以上の給料を払うことはできません。 つまり、賃上げを実現するには、この労働生産性を上げるしか道はないのです。
では、どうすれば上がるのか? ここで精神論に走ってはいけません。以下の数式を見てください。
2. 生産性を決める「2つの要素」
労働生産性は、次の2つのかけ算に分解できます。
ここから分かる「生産性の上げ方」は2つだけです。
① 労働装備率を上げる(武器を渡す)
従業員にどれだけ良い設備(資本)を使わせているか、です。
- 悪い例: 動きの遅い古いPC、手書きの帳簿、電卓での集計。
- 良い例: 最新のクラウド会計、デュアルモニター、生成AIツール。
竹槍で戦っている兵士に「もっと戦果を上げろ(給料上げたいなら働け)」と言うのは酷です。まずはマシンガン(ITツール)を渡すのが経営者の責任です。
② 設備生産性を上げる(武器を使いこなす)
せっかくの設備を使って、どれだけ効率よく稼いだか、です。
- 悪い例: 高いシステムを入れたのに、誰も使い方が分からず放置されている。
- 良い例: マニュアルを整備し、業務フローを見直し、ツールをフル活用して定時で帰る。
「道具」と「使い手」、この両方が揃って初めて生産性は向上します。
3. 経理DXは「賃上げ」への最短ルート
私が提案する「経理DX」や「業務効率化」は、単に楽をするためのものではありません。
- ツール導入(装備率UP): AIやクラウドソフトを導入し、手作業をなくす。
- 教育・定着(設備生産性UP): 新しいツールの使い方を教育し、業務プロセスを磨き上げる。
この両輪が回ると、社員は「単純作業」から解放され、より単価の高い「分析」や「顧客対応」に時間を使えるようになります。 結果として、1人あたりの稼ぎ(付加価値)が増え、それが「賃上げ」の原資になるのです。
まとめ:投資なき賃上げは不可能
「給料を上げたい」 そう願うなら、社員に「もっと働け」と言う前に、自問してみてください。
「私は彼らに、稼ぐための『最新の武器』を買い与えているだろうか?」 「その武器の『使い方』を教える仕組みを作っているだろうか?」
感情論を排して、ロジックで生産性を上げましょう。 それが、社員の生活を守り、会社を成長させる唯一の方法です。



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