2025年ノーベル経済学賞に学ぶ。中小企業に必須の「創造的破壊」

経営・組織のヒント

「今のやり方でもなんとか回っているから、システムを変えるのは怖い」 「新しいITツールを入れてみたけれど、結局古い帳簿も手書きで残している」

もし御社がそんな状態なら、世界の経済トレンドから完全に取り残されているかもしれません。

2025年のノーベル経済学賞は、ジョエル・モキイア氏、フィリップ・アギヨン氏、ピーター・ホーウィット氏の3名に授与されました。彼らの功績は一言で言えば、「イノベーション主導の経済成長を説明したこと」です。

今日は、この世界最高峰の経済理論を「中小企業の現場」に落とし込み、日本企業がこれから生き残るための必須条件を解説します。


1. 成長の鍵は「創造的破壊」である

今回受賞したアギヨン氏とホーウィット氏は、「創造的破壊を通じた持続的成長の理論」で評価されました。

「創造的破壊」とは、古い技術や非効率なビジネスモデルを「破壊(淘汰)」することで、新しい技術やイノベーションが「創造」され、結果として経済全体が成長するという考え方です。

これを中小企業に当てはめると、どうなるでしょうか? 「新しい価値を生み出すためには、まず古くて非効率なやり方を意図的に壊さなければならない」ということです。

しかし、多くの日本企業は「創造」は好きでも「破壊」を極端に嫌います。 新しいSaaSツール(創造)を導入したのに、これまでの紙の稟議書やハンコ・手入力の文化(古い技術)を捨てきれず、結果として現場の仕事が2倍に増えてしまう……。これは破壊を伴わない「ただの業務追加」であり、成長どころか組織を疲弊させます。


2. 「技術」だけではダメ。「受け入れる土壌」が必要

もう一人の受賞者であるモキイア氏は、「技術進歩による持続的成長の前提条件」を解明しました。

どんなに画期的なAIやクラウド会計システムが登場しても、それを現場が使いこなし、知識として定着させる「前提条件(土壌)」がなければ、持続的な成長にはつながりません。

  • 「うちはITに詳しい若手がいないから」
  • 「昔からの職人の勘が一番だから」

このように変化を拒む社風こそが、技術進歩の恩恵を自ら手放している最大の原因です。 経営者の最大の仕事は、高いツールを買ってくることではなく、「古いやり方を捨てる(破壊する)決断」を下し、新しい技術を受け入れる土壌を作ることなのです。


3. 経理・バックオフィスから始める「小さな創造的破壊」

いきなり会社のビジネスモデル全体を破壊する必要はありません。 まずは、会社の心臓部である「バックオフィス(経理・総務)」から小さな創造的破壊を始めましょう。

私が提案するDXは、まさにこのプロセスです。

  1. 破壊(Eliminate): 意味のない手書き伝票、二重入力、無駄な確認作業を徹底的に「やめる」。
  2. 創造(Create): 浮いた時間とリソースを使って、データを経営判断に活かす「未来のための分析」を始める。

無駄な作業を破壊した先にしか、持続的な会社の成長(イノベーション)は待っていません。


まとめ:成長なき企業は退場する時代

2025年のノーベル経済学賞が示したメッセージは明確です。 「技術を進歩させ、古いものを壊して前に進む者だけが、持続的に成長できる」

「今まで通り」を続けることは現状維持ではなく、相対的な「衰退」を意味します。 御社の中に、壊すべき「昭和のルール」や「アナログな慣習」は眠っていませんか?

まずは自社の業務の棚卸しから始め、次なる成長への第一歩を踏み出しましょう。


「何を破壊(廃止)して、何を創造(デジタル化)すべきか分からない」という経営者様は、『経理の健康診断』へご相談ください。貴社の持続的成長を阻む「ボトルネック」を洗い出し、最適なDX戦略をご提案します。

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